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八ヶ岳南麓ペット.com−−pet病気相談室

ペットたちの病気について、予防・早期発見(初期症状)・検査・治療
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回答者:青山保先生(山梨県北杜市大泉町・青山どうぶつ病院院長)
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ワクチンは本当に必要か?
質問
犬猫を同時飼いしている友人が、犬も猫も、伝染病はほとんどなくなっているし、ワクチンの副作用のほうが怖いので、ワクチンはしないと言ってましたが、本当でしょうか?
特に室内飼いの猫の場合は、する必要ないと彼は強調しているのですが・・・


回答
 ワクチンは本当に必要なのか? 当たり前のように打っているワクチン(予防接種)ですが、そもそもワクチンとはどういうものなのかを理解しておく必要があると思います。犬の狂犬病のワクチンや混合ワクチン、猫の混合ワクチンというものが今の日本では主に接種されています。
 ワクチンはウイルスや細菌による病気の発症を防ぐものです。弱らせたり、死んだウイルスや細菌(あるいはその一部、抗原という)を注射して、それに対して動物の体の中で抗体をつくらせます。すると、その後にそのウイルスや細菌が入ってきた時、抗体がやっつけてしまうのです。抗原抗体反応というのを聞いたことがあるかと思いますが、その反応を利用しているのです。
 ワクチン接種による副作用としては、重篤なものではアナフィラキシーショック(急性の循環障害をおこす)や発熱、元気消失、食欲不振、一過性の嘔吐や下痢、顔面の腫脹、注射部位の痛みや腫れなどが起こることが報告されています。アナフィラキシーなどはまれですが、その他の副作用は時折みられますし、何回かワクチンを接種したことのある飼い主の方ならばおおかれすくなかれ経験しているのではないでしょうか。
 こういった副作用はワクチンとして注射された病原体であるウイルスや細菌そしてワクチンにふくまれる添加物などに対する免疫反応の結果であり、絶対になくすということは現時点では難しいでしょう。ワクチンそのものがもともと動物(人間でも同様ですが)に免疫反応をおこさせて抗体をつくらせようとしているからです。病気の発症を抑えるのに十分な抗体をつくらせるが、それ以上の過剰な反応はおこさないというのが理想のワクチンなのです。市販されているワクチンはほとんどの動物に対しては抗体をつくらせる一方で、強い副作用はごく低い確率でしか発生しないというものではあります。

 しかし、個体側の要因、つまり犬や猫の身体の状態によって、たとえばアレルギー体質や遺伝的特性によっては副作用がおこりやすい場合もあり、また、逆に免疫状態が悪い時、すなわち免疫不全ウイルスに感染している猫や老齢の場合はせっかくワクチンを接種しても十分な抗体がつくられないということもありうるでしょう。
 猫ではワクチンの注射部位に腫瘍ができるということも報告されています。確率は0.1%にも満たないですが絶対にないとはいえません。

 ではこういった副作用を考慮してもワクチン接種が必要なのかという問題ですが、おそらくほとんどの獣医師は接種を推奨するでしょうし、個人的にもすすめています。狂犬病のワクチンの必要性については前回述べましたが、混合ワクチンに含まれる犬ジステンパーやパルボウイルス感染症、そして猫白血病やカリシウイルス、鼻気管炎ウイルスなどは現在も日本に存在します。
 たしかに、たとえば犬ジステンパーやパルボウイルス感染症そして猫のパルボウイルス感染症である汎白血球減少症(もしくは伝染性腸炎)といった病気はいまや普通に飼われているペットが突然かかるということはすくないでしょう。発生はほとんどがペットショップやブリーダーから来たばかりの仔犬や仔猫です。
 しかし、猫のカリシウイルスや鼻気管炎は普通に見られますし、猫白血病ウイルスも外へ行く猫は危険性が高いです。飼育している環境や他の犬猫との接触の可能性などいろいろな要因が考えられますが、パルボウイルスやジステンパーなどの病気がめったにみられなくなったというのも、多くの犬猫がワクチンを接種するようになったからといえます。パルボウイルスなどは外部環境下でも長期間生存可能なとても強いウイルスなので、人の手や靴でウイルスが運ばれることも考えられます。
 伝染病の流行をくいとめるためにはなるべく多くの動物にワクチンを接種する必要があるという公衆衛生上の理由がひとつあります。また、多くの犬や猫が集まるところは伝染病の発生の危険が高いので、ドッグランなどいろいろな所へ犬をつれていくことがある場合、ペットホテルや病院に預けることがある場合、トリミングに連れて行くなどがあればワクチンは接種するべきでしょうし、他の動物から病気をうつされないためばかりでなくうつすことがないようにすべきでしょう。ペットホテルやドッグランなどもワクチン接種が義務ずけられている所も多いですし、むしろそうでなければ衛生状態は疑わしいでしょう。
 いつ何時、必要にせまられてペットをあずけることになるかもしれませんし、災害時にシェルターに収容されるような状況が生じないともかぎりません。いつもの環境ではない場所ではストレスなどで感染症は発生しやすくなると考えられるので、日頃からワクチン接種をしておくのは大事だと思います。
| 病気予防 | comments(9) | trackbacks(0) |
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